タイトルには2つの役目があります。ふさわしい視聴者に「探していたのはこれだ」と伝えることと、いまクリックする理由を与えることです。弱いタイトルの多くは、どちらか一方しかできていません。正確だけれど平凡か、わくわくするけれどあいまいか、です。このガイドでは、両方をかなえるために繰り返し使える手順と、勘に頼らずに選んだタイトルを試す方法を紹介します。
YouTube自身がすすめていること
公式のアドバイスから始めましょう。短くて理にかなっています。サムネイルとタイトルのヒントで、YouTubeヘルプは次のことをすすめています。
- 正確に。 タイトルは動画の内容を表すものにします。
- 簡潔に。 短くまとめ、いちばん大事な言葉を最初のほうに置きます。
- エピソード番号やブランド名は最後に。
- すべて大文字や絵文字は控えめに。 感情や動画の特別な部分を強調するために、慎重に使います。
YouTubeヘルプによると、動画のタイトルには100文字の上限があります。これは上限であって、目標ではありません。YouTubeヘルプでは、タイトルを2種類に分けて説明しています。何が見られるかをはっきり示す検索向けのタイトルと、そのテーマを探していない視聴者の好奇心をかき立てる興味を引くタイトルです。どちらを書くのかを決めるのが、最初の判断です。
ステップ1:視聴者がどこで動画を見つけるかを決める
YouTubeヘルプでは、検索向けのタイトルにするか興味を引くタイトルにするかを選ぶ前に、誰が見るのか、どこで動画を見つけるのかを考えるようすすめています。
- 検索で見つかる動画(使い方の解説、レビュー、「〜の方法」のようなテーマ)は、何かを入力した人に見つけられます。タイトルには、その人が入力した言葉が入っている必要があります。
- ブラウジングで見つかる動画(ストーリー、意見、エンターテインメント)は、ホームフィードや関連動画で見つけられます。誰も検索していないので、好奇心の比重が大きくなります。
ほとんどの動画はその中間にあります。よいタイトルにはたいてい、検索のためのはっきりしたテーマの言葉と、ブラウジングのためのフックの両方が入っています。
ステップ2:中心のキーワードを前に置く
テーマを、視聴者が口にするとおりの言い方で表すフレーズを1つ選びます。自分で考えた気の利いた呼び名ではなく、ありふれた言い方です。「泡立つ瓶」ではなく「サワードウスターター」。「お財布にやさしい冒険」ではなく「日本の節約旅行」です。
そして、それを前のほうに移します。理由は2つあります。
- 視聴者にはタイトルの一部しか見えないことが多く、YouTubeはいちばん大事な言葉を最初のほうに置くようすすめています。
- 人はざっと目を走らせます。最初の数語でテーマがわかれば、早く判断できます。
比べてみましょう。
- 「今年いつもと違うことをやってみたら、サワードウスターターが変わった」
- 「サワードウスターター:これ1つでうまくいった」
2つ目は、最初の数語でテーマがわかります。
ステップ3:見える部分だけで完結させる
タイトルがどこまで表示されるかは、端末、画面の大きさ、動画が表示される場所によって変わるので、これなら安全という1つの数字はありません。実践的なルールは、タイトルの前半だけで意味が通じるようにすることです。
タイトルを読み、後半を手で隠して考えてみましょう。それでも視聴者は、何の動画で、なぜ見たいのかがわかるでしょうか。わからなければ並べ替えます。テーマと約束を前に置き、「(2026年版)」、エピソード番号、チャンネル名などの細かい情報は、YouTubeヘルプがすすめるとおり最後に回します。
そのうえで実際に確かめましょう。動画を非公開か限定公開でアップロードし、スマートフォンで見て、タイトルがどこで切れるかを確認します。
ステップ4:釣りにならない好奇心のすき間を作る
好奇心のすき間とは、視聴者が答えを知りたくなる問いのことです。タイトルがそれを開き、動画が閉じます。動画で決して答えない問いを開いたり、そこにないものを約束したりする釣りタイトルとは違います。
公正なすき間を開く方法の例です。
- 意外な結果を挙げる。 「いちばん安いマイクがいちばんいい音だった理由」
- 具体的な失敗を指し示す。 「パンがぺちゃんこになり続けたサワードウの失敗」
- はっきりした比較を約束する。 「紙の手帳とアプリ、6か月使って比べた」
- 動画で果たす数字を使う。 「新しいカメラで変えるべき3つの設定」として、きっちり3つ見せます。
確かめ方は簡単です。見終わった視聴者が「たしかに、タイトルのとおりだった」と言うでしょうか。言わないなら書き直しましょう。YouTubeのスパム、欺瞞行為、詐欺に関するポリシーは、悪質な釣り、つまり約束した内容のない動画を人をだましてクリックさせるためのタイトル、サムネイル、説明を対象にしています。ポリシーの問題以前に、誤解を招くタイトルはクリックしてくれた人をがっかりさせ、その人たちは早く離れていきます。
ステップ5:サムネイルの文字を繰り返さない
タイトルとサムネイルは並んで表示されるので、2つで1組として働くようにしましょう。サムネイルに大きく「ぺちゃんこパン?」と書いてあるのに、タイトルが「ぺちゃんこパン?その理由はこれ」では、何も加わっていません。
代わりに役割を分けます。
- サムネイルは、状況や感情を数語で、または言葉なしで見せます。
- タイトルは、キーワードと背景を加えます。
たとえば、ぺちゃんこのパンの写真に「3時間がむだに」という言葉を入れたサムネイルと、「サワードウスターターがふくらまない?まず確認したい4つのこと」というタイトルの組み合わせです。それぞれが、もう一方にない情報を伝えています。
ステップ6:10案書いてから絞る
最初のタイトルがいちばんよいことはめったにありません。良し悪しを考えずに、手早く10案書きましょう。それから絞っていきます。
- 視聴者が1秒で理解できないものを外します。
- 動画で十分に果たせないものを外します。
- キーワードが前のほうにないものを外します。
- 残った数案を声に出して読み、自分が本当にクリックするものを残します。
次点の案もとっておきましょう。それがテストの候補になります。
ステップ7:「テストと比較」で試す
勘に頼る必要はありません。YouTubeヘルプによると、タイトルとサムネイルのA/Bテストの機能「テストと比較」では、1本の動画でタイトル3つ、サムネイル3つ、またはタイトルとサムネイルの組み合わせをテストできます。主な点は次のとおりです。
- パソコンのYouTube Studioで使え、上級者向け機能を有効にしておく必要があります。
- 勝つのはクリック率が高いだけの案ではなく、再生時間の割合がいちばん高い案です。クリックされてもがっかりさせるタイトルは勝てません。
- テストは2週間以内に終わります。結果は「ベスト」「ほぼ同じ」「有意な結果なし」のいずれかです。
- ショート、子ども向けの動画、非公開の動画、成人向けの動画では使えません。
- YouTubeヘルプによると、案が似すぎているとテストが長引くことがあり、まずは古い動画で試すことをすすめています。
1語だけ違う2つのタイトルではなく、検索向けのタイトルと興味を引くタイトルを比べるなど、本当に違う案にしましょう。
ステップ8:競合の言葉づかいを研究する
YouTubeで自分のテーマを検索し、上位に出てくる動画やおすすめされる動画を開きます。視聴回数の向こう側にある言葉を見ましょう。
- ほとんどのタイトルに出てくる言葉はどれか。それが視聴者の期待する語彙です。
- タイトルはどう始まっているか。テーマ、数字、問い、結果のどれから始まっているか。
- 誰も取り上げていない切り口はどれか。誰も試していない切り口が、いちばんのフックになることがよくあります。
ここではタグも役に立ちます。YouTubeヘルプによると、動画が見つけられるうえでタグの比重は小さいのですが、クリエイターがどんなフレーズを狙っていたのか、テーマの別名やよくあるつづり間違いも含めてわかります。学んだことは自分の言葉を選ぶために使い、他人のタイトルやタグをそのまま貼り付けるのはやめましょう。
当サイトの「タグ抽出ツール」でできること
「タグ抽出ツール」にYouTube動画のリンクを貼り付けると、クリエイターがYouTube Studioで追加したタグが、入力された順番どおりに表示されます。動画のハッシュタグと、クリエイターがチャンネル全体に一度だけ設定するチャンネルのキーワードも表示されます。リストはカンマ区切り、改行区切り、#ハッシュタグ、引用符付きの形式でコピーでき、タグをタップするとコピーから外せます。
タイトルに役立てるなら、自分のテーマの上位の動画をいくつか選んでタグを比べ、繰り返し出てくるフレーズを書き留めましょう。それが中心のキーワードのよい候補になります。限界もあります。タグをまったく付けていないクリエイターも多く、タグからわかるのはクリエイターが狙ったことで、うまくいったことではありません。
覚えておきたいこと
- まず正確さを。動画で果たせないタイトルは、クリックのあとで視聴者を失います。
- テーマの言葉を最初のほうに置き、ブランド名やエピソード番号は最後に回しましょう。
- タイトルとサムネイルには、別々の情報を持たせましょう。
- 「テストと比較」では、はっきり違う案を試しましょう。判定はクリックだけでなく、再生時間の割合で行われます。
- 自分のジャンルの語彙はほかの人から学び、タイトルは自分の言葉で書きましょう。